前回まで、2回にわたって「時空戦士スピルバン」の戦闘機械人を紹介したので、
今回はワーラー帝国もうひとつの軍団、バイオ軍団について。
■ドクターバイオ
登場話:第1話~第43話
声、スーツアクター:高橋利道
バイオ軍団を率い、戦闘生物を作り出す悪魔の科学者。
ワーラー帝国が侵略した星の人間を使って人体実験を繰り返していた。
武器は腰に携えた剣と蔓状の鞭。
ワーラーと女王パンドラに忠誠を誓っているが、デスゼロウ将軍との仲は良くない。
その正体はスピルバンとヘレンの父親・ベン博士であり、
ワーラー帝国に洗脳されていても父親としての記憶はわずかに残っている。
ヘレンを溺愛するあまり、彼女の裏切り行為を黙認していたが、
ワーラーに敵対するスピルバンに対しての憎しみは深く、
そのためにヘレンと衝突することも少なくなかった。
21話では処刑されそうになったヘレンの命を守るために
自らの体をバイオロイドに改造してまでスピルバンと戦ったが、
女王パンドラの罠によって、ヘレンが変身したヘルバイラともども爆殺されかけてしまう。
その時のダメージで脳髄と目玉だけの姿になりながらもヘレンを連れて生還し、
しばらくの間ヘレンを守りながら研究室に閉じこもっていた。
42話でデスゼロウ将軍が戦死した際、一人ぼっちになった女王パンドラに尽くすべく、
自分の体のデータが入ったカードを手に入れたいと考え、
43話で念願かなって元の体を手に取り戻した。
しかし、戦場に出た女王を助けるために出撃しようとした際に
ガメデス城のコントロールボックスから漏れたワーラー光線を浴びて倒れ、
本当の姿、ベン博士の姿に戻ると同時にドクターバイオの人格は消滅した。
洗脳改造されたり脳髄だけになったり、
本来愛すべきはずの息子と敵対したり、上司の命令と娘の願いの板ばさみになったり。
とにかく波乱万丈の人生を過ごしたキャラクター。
ひたすら周りの人やお話の内容に振り回されっぱなしだった印象がありますが、
スピルバンの活躍を描く裏で、本当にまる1年使ってこの人のドラマを描いたのも事実。
影の主役と言えなくもありません。
ただ、機械軍団と並ぶ2大軍団のリーダーのくせしてやたら製造ペースが遅く、
21話で一旦戦線離脱するまでに作った戦闘生物がたったの3体というやる気のなさ。
しかも30話で名誉挽回したいって言いながらも結局何もしてないし、
そのくせヘレンを甘やかしすぎなので回りから反感を買うのも無理なかったかなって・・・
しかしバイオ役は高橋利道さん、ベン博士役はあの水木一郎アニキと
変身前、変身後ともども豪華キャスティング過ぎて驚きます。
最終回の水木アニキVSハムスターの決戦は見もの。
声:森永奈緒美
スパイ軍団リーダー・リッキーの発案によってヘレンが改造された姿。
改造はドクターバイオが担当した。
ドクターバイオが持つ装置から送られるバイオパルスによって強制的に変身させられ、
心優しいヘレンとは打って変わって冷酷な性格になる。
そのため、弟スピルバンに会いたい気持ちと
いつヘルバイラに変身するか分らない恐怖に挟まれたヘレンは苦悩し続けることとなった。
優れた剣技や体を原子分解して物体をすり抜ける機能が備わっており、
高い戦闘力でスピルバンを何度も苦しめたが、
エネルギーを使い果たすとヘレンに戻ってしまうという大きな弱点を抱えている。
また、ヘレンを戦わせることを快く想っていないドクターバイオは
ヘルバイラへの変身を出来るだけ避けたがっており、
13話で戦闘生物ワタジャが善戦した褒美として
ヘレンの変身をしばらくの間やめさせる約束を女王パンドラに取り付けたが、
18話でプラント星人の生き残り、牧野果林を捕まえる際に
再びヘルバイラに変身させられてしまう。
21話ではヘレンとして、バイオロイド変身した父とスピルバンの戦いをやめさせようとするが、
女王の謀略によって父と一緒に殺されそうになるが生還を果たし、
その後しばらくは脳髄と目玉だけになったドクターバイオの保護下に置かれる。
29話ではギローチン皇帝によって再びヘルバイラに変身させられるが、
ドクターバイオが秘密裏に変身システムを抜き取ったおかげで
ヘルバイラへの変身能力を失い、間もなくスピルバンに保護された。
最終的にヘレンはスピルバンの仲間に加わり、
31話以降はヘレンレディに結晶してワーラー帝国と戦うようになった。
吉川Pのお気に入りキャラクター。
ドラマ性もデザインも凄く良いと思うんですが、退場がちょっとあっけなく感じました。
あと、「少女」仮面って名前はちょっと無理があるような。
戦闘生物第1号。
頭部から発するパルスによって己の細胞組織を作り変える変幻自在の怪物で、
スピルバン打倒と、ソロモン王国の秘宝・天使の涙の奪取が任務。
緑色のゲル状の姿になって美術館の水道に忍び込み、
巨大なヒトデになって警備員を吸収、そのまま警備員に成りすまして行動した。
見た目は小さくて弱そうですが、実は結構な実力者。
蛇口から緑色のゲルが出てくるシーンはホラーっぽくて怖いです。
きぐるみの戦闘機械人に対して操演の戦闘生物、という住み分けが
もっとキッチリできていれば面白かったんですけど、そもそも戦闘生物が3体しかいないっていう。
■村田教授が作った戦闘生物
登場話:第13話
ドクターバイオの追放を企むデスゼロウ将軍とリッキーが、
バイオテクノロジーの権威・村田教授を脅迫して作らせた。
武器は触角からの溶解液だけで、レーザースナイパーを受けて蒸発してしまった。
エイリアンのフェイスハガーみたいにスピルバンの顔にまとわりつくのが印象的。
しかし、地球の科学者にドクターバイオの真似事をさせるっつーのは無理ゲーだと思います。
「今週の怪人」がちっこい綿のかたまりなのかよ!?
武器は長い触手で、水中戦も可能。
勝浦の海底に潜み、クラゲ型の小型生物を撒き散らした。
小型生物に毒液を注入された人間は原始的記憶を呼び覚まされて海に戻るようになり、
やがて脳細胞が退化して死んでしまう。
とうとう操演でなくなり、よくわからなくなった上に戦闘生物はこれで打ち止め。
まだ15話なのに・・・
ドクターバイオがスピルバン抹殺のために研究を重ね、自らの姿を戦闘用に強化した姿。
胸から大量の触手、腹部の単眼から虫のような小型生物を出す、という2種類の拘束技、
両手から発射する破壊光弾やアメーバ状に体を変形させての突撃、
巨大な花に変身してからの爆発ガス噴射と多彩な技を見せる。
21話ではヘルバイラと共にスピルバン・ダイアナレディの二人を苦しめるが
女王パンドラの用意したメガトン爆弾でスピルバン達ごと倒されそうになった。
スピルバン戦からしばらくは脳髄と目玉だけの姿でヘレンと共に過ごすが、
30話でギローチン皇帝が放ったニュー戦闘機械人・クルマンによって
ヘレンが殺されかけたのを見かねて女王パンドラに直訴。
しかし、女王に「汚らわしい化け物」呼ばわりされて激昂、
脳髄の姿から再びバイオロイドに変身して暴れまわった。
力強い戦い方でデスゼロウ将軍を圧倒して見せたが、
すぐに女王によって止められ、脳の姿に戻されたドクターバイオ本人も深く反省。
ギローチン皇帝からもまだ利用価値があるということで特にとがめられず、
しばらくの間研究室の培養液水槽の中で過ごすことになった。
この時、スピルバン達がヘレンを助けたことに安堵していたが、
名誉挽回のために打倒スピルバンを目指す考えは変わっていなかった。
まさにバイオ化学の結晶、戦うための生物兵器といったビジュアルがカッコイイと思います。
それだけに2回しか出てこなかった(そのうち1回は内輪もめ)というのが残念。
まぁ、毎回毎回出てこられても困るんだけど・・・