誰もが皆忘れてる(私も)、気が向いたときの怪人レビュー。
今回からしばらく、東映メタルヒーローシリーズ第5作「時空戦士スピルバン」の怪人、
ワーラー帝国についてご紹介します。
まず、スピルバンの敵、ワーラー帝国は守護神ワーラーを中心とする悪の軍団で、
ワーラーの生命維持に必要な真水を求めて地球にやってきました。
ワーラーはきれいな水を使い果たすたびに
ワーラープランクトンと呼ばれる有害物質を発生させるため、定期的に水を入れ替えねばならず、
そのたびに様々な惑星を侵略しては必要な水を確保してきました。
主人公スピルバンの母星、クリン星もワーラーに滅ぼされた星のひとつで、
その因縁が物語のキーポイントとなっていきます。
そして、クリン星侵略の際にスピルバンの父・ベン博士と姉・ヘレンをさらったのが
機械軍団のデスゼロウ将軍でした。
■デスゼロウ将軍
登場話:第1話~第42話
声:飯塚昭三
ワーラー帝国・機械軍団のリーダー。
ワーラーのためだけではなく、自らの技術発展のためにも水を欲する。
戦闘機械人の製作や作戦の指揮はもちろん自ら前線に出ることも珍しくなく、
戦車隊を引き連れて大戦車スカルドンに乗り込む。
白兵戦では左腕からのロケット弾や長剣で戦い、何度もスピルバンの前に立ちはだかった。
24話では自らの体を魚雷に変形させて突撃する「デスゼロウ魚雷」を初披露し、戦闘母艦を一撃で粉砕するビッグバンカノンにも耐えて見せた。
中盤までは戦闘の中核を担っていたが、
ギローチン皇帝の登場とニュー戦闘機械人の台頭によって組織内の評価は著しく下がり、
本人もすっかり皇帝の腰巾着のようなポジションになってしまう。
また、女王パンドラの「スピルバン坊やをペンペンしてやりなさい!」という命令に対して
「ペンペンします!」と答えたり、若いカップルを羨ましがったりなどコミカルな一面もあり、
41話では「家庭を持てば男は強くなる」という考えのもとにダイアナに求婚した。
続く42話では女王パンドラから最後のチャンス「東京大火災作戦」の指揮を任され、
100倍のパワーを与える究極回路をセットされるが、
その結果増長してワーラー帝国の王座を狙うようになる。
しかし、究極回路に仕組まれていたコントロール装置によって体の自由を奪われたまま、
スピルバンのアークインパルスに散った。
戦闘員キンクロン達は将軍の死に敬礼していたが、
女王の評価は「使えない男」呼ばわりと散々なものだった。
メタルヒーローの悪役といえばやはり飯塚昭三さんは欠かせません・・・・が、
首領を務めた前4作と違って今回は大幹部。
幹部たちにワーラーの意思を伝える女王パンドラがあの曽我町子さんということもあって、
「サンバルカン」のヘルサターン総統を彷彿とさせます。
戦闘機械人第1号。
胸と腹部からミサイル、頭部から熱線を放ち、背中の巨大リングは拘束具として使う。
逆三角形の体形と頭部のカバー展開ギミックが印象的。
初期の戦闘機械人はSF映画に出てきそうな、兵器然としたデザインがかっこいいですね。
6本の腕を持つ戦闘機械人第2号。
両肩を展開して左右3門ずつの光線砲を発射する。
メカショルダーがスピルバンに破壊された後、すぐに用意された。
まだ第2話なのに主人公のデータをインプットされている敵が出るってのは斬新だと思います。
前作ジャスピオンにもこの手の敵は出てきたけど、あれは28話。
顔面が2つ付いたような、特異な姿の戦闘機械人第3号。
右顔からせり出したライフルで攻撃する。
どことなくウルトラ怪獣のキングジョーを思わせるシルエット。
第3話のテロップでは「メカジョーカ」と表記。
全世界のコンピュータを掌握する「ゼロワン作戦」の際に
邪魔になるスピルバンの足止めを行った。
武器は万力型の右腕と背中のパネルから照射するビーム。
自身に内蔵されたスピルバンのデータを活かして戦いを有利に進めるが、
スピルバンとダイアナレディの同時攻撃・ダブルスナイパーはデータに無かったため
対応することができなかった。
デスゼロウ将軍いわく「最強の戦闘機械人」。
戦車形態から人型に変形する機能を持つ。
人型形態では格闘攻撃だけでスピルバンを圧倒し、そのエネルギーを完全に消耗させた。
毎回最強怪人が出る某クライシス帝国と違って、確かに最強と言っても良い強さ。
スピルバンはダイアナレディの加勢がないとまず勝てませんでしたし、
単純なパワー負けでやられかけてるってのがまたすごい。
今見るとウルトラ怪獣のリガトロンに似てる気がします。
あと横顔がイケメン。
この回は決め台詞「俺の怒りは爆発寸前!」、ダイアナヒッププレスの初使用、
ヒッププレスを受けた時のにやけ面キンクロンの初登場、
リッキーらスパイ軍団3人の水着と見所の多い回でした。おすすめ。
頭部と両肩、あわせて三つの顔をもつ戦闘機械人。
左肩にはロケット砲、右肩には光線砲を装備している。
かつての先頭データを基に、スピルバンとダイアナの連携に対応した作りになっているが
今回の作戦は結局、二人を分断することになり、まずダイアナを執拗に攻撃した。
デザイン画の段階では顔が入れ替わる形になっていた。
スピルバンとダイアナレディの的を狙うデモンストレーションのチープさがひどい・・・
武器は左胸からのロケット弾と両手の鋭い爪。
元は発明ショップエジソンの店主・小山大五郎が製作したお手伝いロボット、ロボター(右)。
しかしロボター製作を依頼したのはスパイ軍団のリッキーで、
ロボターはキンクロンの細工によってメカロボターへの変形機能を付けられる。
エジソン店内でリラックスしているスピルバンを暗殺するのが真の狙いだが、
スピルバンがそれを見越していたため、作戦は失敗してしまう。
お手伝いロボの真の姿は凶悪な戦闘ロボ、という話の流れは
上原先生のお得意ですかね、オーレンジャーにも似た話が合ったはず。
声:桑原たけし
陽気な口調で流暢に話し、子供達に紙芝居を見せるなど
今までの戦闘機械人とはかなり違った振る舞いを見せるが、
挨拶代わりにトラックをライフルで狙撃する素性はとても残忍。
ポンチョを脱ぎ捨てることで真の実力を発揮、
攻撃を弾く板状のバリアーや巨大な刀、左腕が変形したマシンガンで攻撃する。
キャラがやたら濃くて記憶に残る一体。
しかし、ガンマンと言いながら最終的にチャンバラになるのはいかがなものか。
後にニュー戦闘機械人が登場したときに、
「今までの戦闘機械人と違って喋れる」という説明がありましたが、
すでに戦闘機械人に喋れる奴がいるんですよね・・・・
ワーラーが人間を堕落させるために用意したモデルハウス「未来ハウス」に
備え付けられていた家電製品が合体してこの戦闘機械人に変貌した。
その名のとおり、胸の冷蔵庫から噴射する冷凍ガスが最大の武器で、
スピルバンを凍りつかせるほどの威力がある。
胸は冷蔵庫、腹は換気扇、右肩はトースター、右腕は掃除機、左肩は電気スタンドなど、
とにかくにぎやかなビジュアル。
こういう、色んなものをくっつけて一つの怪人やロボットを作り出すのって面白いですよね。
「メダロットNavi」のスペロボ団員が使ってくる、ソリットコテージもこんな感じだったなと。